2006年02月25日

夫以前

思えば彼のモラハラは結婚以前からはじまっていた。

ドライブに行って、始めからだか途中からだか機嫌が悪くなり、突然口をきかなくなる。私はなにか自分が悪いことをしたかも、と不安になる。一所懸命思い直してみても原因が見つからず、彼に聞いても「別に」「なんでもない」といった言葉しか返って来ない。私は何も悪いことをしていないのに機嫌を取るのもおかしな話だと割り切り、言葉をその通りに受け取ることにして、彼のことを気にせずに車の中の沈黙にも考え事をして耐えた。幼少からの経験で誰にも相手にされずにやることもない場所でも1人ですごすスキルだけは長けていたので、苦にもならなかった。今考えたらこの能力のおかげで自分の状況がよくわからなかったんだと思う。

たびたびこういう状況になるので、そのうち私も嫌になってきて、気に入らないなら帰ろう、とか、いいかげんにして、などと言うようになった。すると、本当にそのまま家まで帰っておしまいだったり、嫌なら降りろ、と言われて本当に降りたらそのまま車が走り出して泣きながら歩いたこともあった。この時は途中で車が待っていて、近づくと彼がドアを開けたので乗り込んだら「ごめん、ごめんって」と謝られ、そのまま許してしまった。なんでそのまま車に乗らずに歩いて電車に乗って帰らなかったんだろう。思い出してみると全部言われたままだ。私は自分で降りたと思っていた。でも「降りろ」と言われてやっと降りている。そして「乗って」と言われて乗っている。

いつでもその気になれば別れられると思っていた。この時車を降りたように、降りる気になれば降りられるんだと思っていた。でも私は自分で思い立って降りたんではなかった。彼の側から言われなければ、車から降りることさえできていないじゃないか。私は結局自分からは何も動けていなかったのか・・・。

結婚前、私が1年だけ住んでいたワンルームに、彼は毎週のように泊まりに来た。まだ学生だった私は自分で稼げるようになるまで、自分名義のお金が出来るまでなるべく物は買わないようにしていた。テレビもなかった。泊まりに来てもテレビもなくやることのない彼はほとんど寝ていた。ある時、彼が突然テレビを「安かったから」と言って買って来た。私はそのテレビが気に入らなかった。デザインも嫌いだったし、私の部屋にあることが許せなかったので、彼がいない日は一度も電源を入れることはなかった。私はテレビなんか欲しいと思ってなかったのに!私に何の相談もなく買って来たことが許せなかった。でも私は彼に直接言えなかった。彼は親切でやっていると思ったから、それに反発するのはいけないことだと感じていた。受け入れられない私が変なんだと。

でも彼の行動は親切でもなんでもなかった。ただ自分がテレビを見たいだけだった。今も寝室で使われているそのテレビは、私と彼から会話を奪った。彼は、泊まりに来ては私の作った食事を食べテレビを見て寝るだけになった。私はますますこのテレビが嫌いになった。でも本当は私との時間よりテレビがよかった彼に怒っていた。でもそのことに気付いた時にはもう何週間も建っていて、今更言い出せなかった。

付き合いはじめから、私は旦那のテリトリーに組み込まれていた。旦那は繰り返し私を試し、私の限界を測っていた。私が泣いて訴えれば彼は一旦退き、しばらくするとまた別方向から試される・・・。もともと人付き合いの経験の薄い私はどこまで我慢してどこまで主張していいのかよくわかっていなかった。どんどん踏み込まれていっていることに気付かず、私が変わればいいと彼の行動を受け入れていった。私は彼を真似し、彼の言われるがまま、なされるがままになっていた。
posted by 蝉ころん at 19:53| Comment(2) | 夫との日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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