2006年05月03日

気付き

私は、一時期2ちゃんねるにどっぷりとはまっていた時期がある。

そこでは、夫婦のやり直しを目指す相談所のようなスレッドが立ち、うまくいっていない夫婦の悩みに対して仲良し夫婦側からのアドバイスがもらえていた。私は書き込みはせず、読む専門だった。ずっと読んでいると、2ちゃんねる特有の口の悪いコメントの中に、誠意を持って書き込まれている意見も多くあることがわかってきた。びっくりしたのは、とても女性寄りだと思える意見を、男性が書いていたこと。妻の話を聞き、優しい言葉をかけ、家事を分担し、妻の負担を軽くするために子供の面倒を見る。こんなに、妻を大切にしている夫も存在するんだ。

じゃあうちの夫はなんだろう?

休みの日でも、昼まで寝たあと、娘にだけ笑顔を向けて私には一目もくれずテレビを付け、おいしいとも言わずテレビを見ながら新聞を読みながら食事をし、ときどき子供を見ては、行儀を叱る。テレビのコメンテイターの話を、笑顔でうなずきつつ聞く。食事が終わると子供と遊ぶそぶりをして、そのまま2時間も3時間も寝てしまう。夕食の準備を始める頃に起きてまたテレビを付け、夕食と入浴がすんで私と娘が寝室に入ると、他の部屋にこもって夜遅くまで起きている。まるで私と時間を共有するのが嫌で、私を避けているような生活だ。

私も積極的に話しかけたり、笑いかけたり、自己主張したり、夫婦円満の秘訣とよばれるようなことは実践していた。でも夫の生活は変わらなかった。

そのうち2ちゃんねるのいつもの場所で、暴力はないがまともに相手をしてもらえない、という相談に対して、モラハラという言葉が出てきた。そのときは、ヘー、そんなものにも名前があるんだ、なんでもかんでもだなあ。くらいに軽く思っていたけど、このキーワードはなぜか頭に残った。

それからしばらくして、夫との関係改善をなかばあきらめて、夫はいないものだと、夫に夫役を期待するのはやめよう、居候だと思おう、と気持ちを切り替えて生活するようになった。夫を当てにしない生活は快適で、乳児のお風呂から、病気通院から、幼稚園の行事から、全部一人でこなした。ほとんど夫と接しない日々が続いたけれど、それでかえって私は元気になった。気持ちも張りがあるし、失敗も自分でしりぬぐいして、それで収まる。予定通りにことが進まなくても、「ま、いっか」ですむ。子供とものびのび関われるようになった。2ちゃんねるにも、いかなくなった。

でも、平穏な日々は長くは続かなかった。夫が、どうも放っておかれている、ということに気付いたようだった。あれだけ私のことは放っておいて、自分が放っておかれるのは不満なのか。夫の大好きな、自分で好きなように過ごす時間はたくさんあるじゃないか。テレビだって見放題だ。でも夫は自分の周りに人がいないことには耐えられないようだった。

相変わらず私には直接関わらず、子供にしきりに関わって来るようになった。私が子供と決まり事としていたことも平気で破るし、夜遅くなっても平気で遊んでいるし、私は私と子供の間に割り込まれることに不満をもった。いままで何もしなかったくせに!私が頑張って育ててきたのに!でも、子供にとってはやさしくて大切な父親だから、と思うと、子供に危害を加えているわけでもないのに夫を非難することはやはりできなかった。

ある日、子供がお父さんと寝たいといった。夫が見たいテレビがあるのを私は知っていた。どうするかと思っていると、子供は昼から言っていたにもかかわらず、夜になって夫は今日はダメだと断った。泣きわめく子供を「また今度」となだめるだけなだめて、それでも泣き止まないと、そのまま別部屋にこもった。そのあと、ぐずる子供を寝かしつけてから、私はどうしても我慢ができなくなって、子供と一緒に寝ようとするのはもうやめてくれ、と訴えた。変に期待だけ持たせて、かえってかわいそうだ、と。

夫からの反撃が始まった。「それはおかしい」「おまえはなんでも決めつけすぎる」「父親と寝たことのないような子供はまともに育たない」「それはお前の意見で子供の意志じゃない」正論でまくしたてられ、「おまえおかしい」を連発され、突然、私の体全体ががたがたと震えだした。なぜか冷静な頭が、あ、なんか私おかしい、と思った。結論ははっきりしないまま、1時間程度で追い出されるように話を終えると、私は相談窓口を探した。私はもうこの人とはやっていけないんだ、と感じた。

ネットで相談窓口を探しているうち、ふと、頭に残っていたモラルハラスメントを検索してみた。たくさんの体験談がヒットした。多くの体験談は私の状況とは比べ物にならないくらい壮絶で、私なんかが被害者と言うにはおこがましいように感じたけれど、共通点を感じた。ああ、これだったんだ。その後「モラルハラスメント」の書籍を探して読み、確信を新たにした。

この日の話し合いの後から、もう前のように夫に接することはできなくなった。私は確かに夫を怖いと感じている。暴力を振るわれたわけでもないのに、この恐怖はなんだろう?私の人格を否定される怖さ?私の存在を失う怖さ?それとも、もっと深い、夫の底にあるものに対する恐怖なのか。

カウンセリングを受け始めて、今、一歩踏み出す先を探している。
posted by 蝉ころん at 08:31| Comment(2) | 夫との日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
奇遇にも、同じ頃かしら、ネットで「モラハラ」を知ったの。

四月に別居して(今また再同居なんですが)
ネットで検索しまくりました。いくらなんでも、どこか精神的におかしいぞ、あの夫は。と、27年も経っていまさらながらなぜか思ったのね。

>突然、私の体全体ががたがたと震えだした。なぜか冷静な頭が、あ、なんか私おかしい

自分の体は自分を愛しているから、警告音発してくれるんだってね。

わたしもそうでした。胃痛などの体調不良はしょっちゅうだったのに、それも無視し続けてきたら、コントロールのきかない「鬱」が出てきました。このままだととうとう壊れる、と危ぶむ冷静な自分がわずかに残っていて、「別居」をきりだしたのでした。

今家庭内離婚状態で顔をあわさないようにしています。帰ってくる時間帯にはスポーツクラブに出かけるようにしてます。
Posted by なつ草 at 2006年09月08日 11:44
体は不思議ですね。
私はこの震えで自分の異常に気が付いたんですけど、考えてみたらいろいろと不調はありました。生理不順もだし、原因不明の微熱が長く続いたり、食欲不振、睡眠異常・・・一つ一つならなんてことないことばかりで、本当、夫の嫌がらせと同レベルなんですけど、なんで気が付かなかったんだろう?ってくらい同じ時期に重なって始まっています。
夏草さんは、鬱までいかれたんですか・・さぞ辛かったでしょうと思います。冷静な部分が残っていてよかったですね。私も、遠いところで見ているような人ごとのような私にずいぶん助けられています。同じような感じかしら。

私も休みの日は子供連れて出かけたり、なるべく離れています。同じ空間に一緒にいないのが最善の策ですね。
Posted by 蝉ころん at 2006年09月10日 18:11
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